愛犬の健康を真剣に考える飼い主様にとって、プレミアムドッグフードの代表格である「オリジン(ORIJEN)」と「アカナ(ACANA)」は、一度は検討したことがあるブランドではないでしょうか。両ブランドともカナダ産の高品質なペットフードとして知られていますが、実際にどちらを選べばよいのか迷ってしまう方も多いはずです。
本記事では、オリジンとアカナの違いから特徴、選び方のポイントまで、ペットフード選びで知っておくべき情報を網羅的に解説します。愛犬にとって最適なフードを見つけるための参考にしていただければと思います。
オリジンとアカナは同じ会社が製造する姉妹ブランド
多くの方が意外に感じるかもしれませんが、ペットフードのアカナ・オリジンは、実は同じペットフード会社が製造している姉妹ブランドです。カナダのChampion Petfoods社が手がけており、両ブランドとも「生物学的に適正(Biologically Appropriate)」という同じ理念のもとで開発されています。
共通する品質へのこだわり
両ブランドに共通するのは、素材への徹底したこだわりです。新鮮な肉や魚を主原料とし、グレインフリー(穀物不使用)のレシピを採用しています。また、人工保存料や着色料、香料は一切使用せず、自然由来の原材料のみを使用している点も大きな特徴です。
犬本来の食性に合わせた高タンパク・低炭水化物の栄養バランスを実現し、消化吸収にも配慮した設計となっています。製造工程においても、低温調理により栄養素の損失を最小限に抑える技術を採用しているのです。
いろいろなニーズに応えられる豊富なラインナップ
オリジンとアカナを合わせると、犬種や年齢、体重管理、アレルギー対応など、様々なニーズに対応できる豊富な商品ラインナップが揃っています。小型犬専用から大型犬専用、子犬からシニア犬まで、愛犬の成長段階や体質に合わせて選択できる点は大きなメリットといえるでしょう。
オリジンとアカナの違いを詳しく検証
同じ会社が製造している姉妹ブランドとはいえ、オリジンとアカナには明確な違いがあります。ここでは、原材料、成分、価格の3つの観点から、両ブランドの違いを詳しく解説します。
原材料の違い
最も大きな違いは、動物性原材料の配合比率です。オリジンは動物性原材料が85〜90%を占める超高タンパクフードとして設計されています。一方、アカナは動物性原材料が50〜75%程度となっており、オリジンと比較するとやや控えめな配合となっています。
オリジンでは、新鮮な肉や魚を丸ごと使用する「WholePrey(ホールプレイ)」というコンセプトを採用しており、筋肉だけでなく内臓や軟骨なども含めて栄養バランスを整えています。これにより、野生の犬が自然界で摂取する栄養素に近い構成を実現しているのです。
アカナも新鮮な原材料にこだわっていますが、オリジンほど極端ではなく、バランスの取れた配合となっています。地域の信頼できる生産者から調達した新鮮な肉や魚を使用しており、品質の高さは十分に保たれています。
成分の違い
タンパク質含有量において、オリジンは38〜42%程度と非常に高い数値を示します。これは市販のドッグフードと比較しても群を抜いて高い水準です。アカナは25〜35%程度となっており、高タンパクでありながらもオリジンよりは穏やかな設定となっています。
脂質についても、オリジンの方がやや高めに設定されている傾向があります。炭水化物は両ブランドとも低く抑えられていますが、オリジンの方がより徹底しており、15%以下に抑えられているのが特徴です。
カロリー面では、オリジンの方が高カロリーとなっており、活動量の多い犬や筋肉質な体型を維持したい犬に適しています。アカナは適度なカロリー設定となっており、一般的な室内飼いの犬にも与えやすい設計となっています。
価格の違い
価格面では、オリジンの方が高価格帯に位置しています。2kgサイズで比較すると、オリジンは7,000〜8,000円程度、アカナは4,000〜6,000円程度が相場となっています。この価格差は、使用している原材料の配合比率や製造工程の違いが反映されています。
オリジンの高い価格は、動物性原材料を85〜90%という高い比率で配合していることや、より厳格な品質管理工程を経ていることが要因です。アカナは比較的リーズナブルな価格設定でありながら、十分に高品質なフードを提供しているといえるでしょう。
オリジンドッグフードの特徴と商品ラインナップ
オリジンは、「生物学的に適正」という理念を最も極端な形で表現したブランドです。野生の犬の食事に最も近い栄養バランスを追求し、超高タンパク・低炭水化物のレシピを実現しています。
オリジンの基本理念
オリジンの最大の特徴は、動物性原材料を85〜90%という高い比率で配合していることです。犬は本来肉食に近い雑食動物であり、野生では獲物を丸ごと食べることで必要な栄養素を摂取していました。オリジンはこの考えに基づき、筋肉、内臓、軟骨、骨などを適切な比率で配合しています。
また、使用する原材料はすべて「フィット・フォー・ヒューマン・コンサンプション(人間が食べられる品質)」の基準をクリアしており、安全性の面でも妥協がありません。地元カナダの信頼できる生産者から直接調達し、新鮮なうちに加工することで、栄養価の高いフードを実現しています。
主要な商品ラインナップ
オリジナルは、オリジンの中で最もスタンダードな商品です。鶏肉、七面鳥、イエローテイルカレイ、全卵、大西洋サバ、大西洋ニシンを主原料とし、バランスの取れた栄養構成となっています。迷った際にはまずこちらを試してみることをおすすめします。
パピーは子犬専用のレシピで、成長期に必要な高い栄養価を実現しています。オリジナルよりもさらに高タンパク・高脂質となっており、健やかな成長をサポートします。
シックスフィッシュは魚を主原料としたレシピで、サーモン、ニシン、カレイ、レッドフィッシュ、シルバーヘイク、メルルーサの6種類の新鮮な魚を使用しています。魚由来のオメガ脂肪酸が豊富で、皮膚や被毛の健康維持に効果的です。
レジオナルレッドは赤身肉を中心としたレシピで、アンガス牛、イノシシ、ラム、ヨークシャー豚、レッドディア(鹿)を使用しています。肉の旨味が強く、食いつきの良さが期待できます。
アカナドッグフードの特徴と商品ラインナップ
アカナは、高品質でありながらもバランスの取れた配合を特徴とするブランドです。オリジンよりも幅広い犬種や生活スタイルに対応できる設計となっており、初めてプレミアムフードを試す方にもおすすめです。
アカナの基本理念
アカナは動物性原材料を50〜75%配合し、高タンパクでありながらも適度なバランスを保っています。オリジンほど極端ではないため、消化器官がデリケートな犬や、急激な食事変更に敏感な犬にも受け入れられやすい設計となっています。
品質面では、オリジンと同様に新鮮な原材料にこだわり、地元カナダの生産者から調達した肉や魚を使用しています。グレインフリーのレシピを採用し、人工添加物は一切使用していません。
豊富な商品ラインナップ
アダルトスモールブリードレシピは小型犬専用に開発された商品です。小粒設計で食べやすく、小型犬に必要な栄養バランスを実現しています。室内飼いの小型犬に最適な設計となっています。
クラシックシリーズには、プレイリーポートリー(鶏肉中心)、ワイルドコースト(魚中心)、レッドミートレシピ(赤身肉中心)があり、愛犬の好みや体質に合わせて選択できます。
リージョナルシリーズは地域の特色ある原材料を使用したレシピで、パシフィカドッグ(太平洋の魚)、グラスフェッドラム(牧草飼育の羊)などがあります。
ライフステージシリーズには、パピーレシピ(子犬用)、アダルトドッグレシピ(成犬用)、シニアレシピ(高齢犬用)があり、愛犬の年齢に応じて選択できます。
愛犬に合わせた選び方のポイント
オリジンとアカナのどちらを選ぶかは、愛犬の年齢、体質、生活スタイル、そして飼い主様の考え方によって決まります。ここでは、具体的なケース別に選び方のポイントを解説します。
犬種や体型による選び方
小型犬の場合、アカナのアダルトスモールブリードレシピが最適です。小粒で食べやすく、小型犬特有の代謝の速さに対応した栄養バランスとなっています。オリジンは粒がやや大きく、タンパク質含有量も高すぎる場合があります。
大型犬の場合は、オリジンのオリジナルやアカナのアダルトラージブリードレシピがおすすめです。大型犬は筋肉量が多いため、高タンパクなフードが適しています。特に活動量の多い大型犬にはオリジンが向いているでしょう。
年齢による選び方
子犬の場合、成長期に必要な豊富な栄養素を摂取する必要があります。オリジンのパピーは非常に高い栄養価を実現しており、健やかな成長をサポートします。ただし、消化器官がまだ発達途中の子犬には、アカナのパピーレシピの方が負担が少ない場合もあります。
成犬の場合は、愛犬の活動量や体質に応じて選択します。運動量が多く、筋肉質な体型を維持したい犬にはオリジンがおすすめです。室内飼いで適度な運動量の犬には、アカナが適しているでしょう。
シニア犬の場合は、消化のしやすさを重視することが大切です。アカナのシニアレシピは、高齢犬の体に配慮した栄養バランスとなっており、消化器官への負担も軽減されています。
体重管理が必要な場合
体重管理が必要な犬には、アカナのライト&フィットレシピがおすすめです。カロリーと脂質を適度に抑えながら、必要なタンパク質は確保されており、健康的なダイエットをサポートします。
オリジンは全般的に高カロリーなため、太りやすい体質の犬や運動量の少ない犬には不向きな場合があります。ただし、筋肉量を維持しながら体重管理を行いたい場合は、給餌量を調整してオリジンを与える方法もあります。
アレルギーがある場合
食物アレルギーがある犬には、アカナのシングルシリーズがおすすめです。単一のタンパク源を使用しており、アレルゲンの特定や除去が容易です。グラスフェッドラムは羊肉のみ、パシフィカドッグは魚のみを使用しています。
オリジンは複数のタンパク源を使用しているため、アレルギーがある犬には注意が必要です。ただし、アレルゲンが特定されており、オリジンの原材料に含まれていない場合は問題ありません。
価格と購入方法について
オリジンとアカナは、一般的なドッグフードと比較すると高価格帯に位置しますが、その品質を考えると妥当な価格設定といえるでしょう。購入方法や販売店によって価格が異なるため、賢い購入方法を知っておくことが大切です。
正規代理店での購入が安心
オリジンとアカナは正規代理店でのみ取り扱われており、並行輸入品や偽造品も市場に出回っている可能性があります。品質と安全性を確保するためにも、必ず正規代理店での購入をおすすめします。
公式サイトでは、正規代理店の一覧が掲載されているため、購入前に確認することが大切です。正規代理店では、製品の品質保証や適切な保管管理が行われており、安心して購入できます。
オンラインショップと実店舗の比較
オンラインショップでは、豊富な商品ラインナップから選択でき、価格比較も容易です。送料無料のサービスや定期購入割引などの特典もあります。ただし、実際の商品を確認できないため、初回購入時は慎重に選ぶ必要があります。
実店舗では、スタッフから直接アドバイスを受けることができ、愛犬に最適な商品を選択しやすいメリットがあります。サンプルを試食させてもらえる店舗もあり、食いつきを確認してから購入できる点も魅力です。
購入時の注意点
賞味期限の確認は必須です。オリジンとアカナは人工保存料を使用していないため、一般的なドッグフードよりも賞味期限が短くなっています。購入時は必ず賞味期限を確認し、適切な保存方法を守ることが大切です。
開封後は酸化を防ぐため、密閉容器に移し替えるか、しっかりと封をして冷暗所で保存します。夏場は特に注意が必要で、高温多湿を避けて保存することが重要です。
給餌量と切り替え方法
オリジンとアカナは栄養価が高いため、一般的なドッグフードと比較して給餌量が少なくなります。適切な給餌量と切り替え方法を理解して、愛犬の健康管理に役立てましょう。
適切な給餌量の決め方
給餌量は愛犬の年齢、体重、活動量、体質によって個体差があります。パッケージの目安量から始めて、愛犬の様子を観察しながら調整することが大切です。
体重の変化、便の状態、毛艶、活動量などを総合的に判断して、最適な給餌量を見つけます。太り気味の場合は量を減らし、痩せ気味の場合は量を増やすなど、定期的な調整が必要です。
フードの切り替え方法
新しいフードに切り替える際は、急激な変更は避けて徐々に切り替えることが重要です。1週間程度かけて、現在のフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら切り替えます。
初日は新しいフードを25%、3日目は50%、5日目は75%、7日目には100%新しいフードに切り替えるペースが理想的です。この期間中は愛犬の様子をよく観察し、軟便や食欲不振などの異常がないか確認します。
まとめ
オリジンとアカナは、どちらも非常に高品質なペットフードであり、愛犬の健康を真剣に考える飼い主様にとって優れた選択肢です。両ブランドの違いを理解し、愛犬の個性や体質に合わせて選択することが大切です。
オリジンは超高タンパクで野生の食事に最も近い栄養構成を求める方に、アカナは高品質でありながらバランスの取れた栄養構成を求める方におすすめです。価格面での違いもありますが、愛犬の健康への投資と考えれば、どちらも価値のある選択といえるでしょう。
最終的には、愛犬の好みや体質に合うかどうかが最も重要です。まずは小さなサイズから試してみて、愛犬の反応を確認することをおすすめします。適切なフード選びにより、愛犬がより健康で幸せな生活を送れることを願っています。